アメリカ・イランの和平を実現するには?

228日にアメリカとイスラエルがイランへの攻撃を開始し、明日で2か月になる。当初は短期間で終結すると思われたが、ズルズルと長期化し、ベトナム戦争のように泥沼化することが懸念されている。当事国だけでなく世界中の政治家・専門家が、どうすれば終結できるか頭を悩ませている。

私は妙案を思い付いた。それは、ノルウェー・ノーベル賞委員会に「即座にイランと和平合意し撤兵したら、トランプ大統領にノーベル平和賞を授与する」と声明を出してもらうことだ。

トランプ大統領は、以前からノーベル平和賞を熱望している。歴史に名を残したいという名誉欲や前任のオバマ大統領が受賞したことへの嫉妬心からだと言われる。トランプ大統領が第1次政権で「戦争をしない」と明言し、実際に戦争をしなかったのは、ノーベル平和賞を獲るためだった。

ところが、昨年10月のノーベル平和賞で受賞は実現しなかった。トランプ大統領は、「もはや自分には平和についてのみ考える責務はない」と不満を表明した。平和への関心を失ったトランプ大統領は、被っていた仮面を脱ぎ捨て、1月にベネズエラ、2月にイランに武力行使した。キューバが次のターゲットだと言われている。

ここで、遅ればせながらノーベル平和賞を授与すれば、トランプ大統領は歓喜し、即刻イラン側の条件を丸のみして和平合意するだろう。キューバへの軍事計画も立ち消えになる。

もちろん、ノルウェー・ノーベル賞委員会がこの意思決定するハードルは高い。しかし、これを契機にノーベル平和賞を改革することはできないものか。

いまノーベル平和賞は、存在意義を疑われている。医学・物理・化学の科学3賞と違って、平和賞は選考基準があいまいで、過去の受賞では様々な物議を醸した。えっ、ベトナム戦争に協力した佐藤栄作ですか。えっ、民族浄化容認のスーチーですか。えっ、お騒がせグレタが3度も候補になってるんですか。ノーベル平和賞の改革が急務だ。

ここからは、私の予想、というより希望的観測。

高市首相は、主要国のリーダーではただ一人、トランプ大統領と友好関係を築いている。1028日に行われたトランプ大統領との首脳会談で、推薦の意向を伝えた(アメリカ側が公表、本人は否定も肯定もせず)。高市首相は、世界平和を実現するために正式に推薦する。

高市首相には、世界中から非難が殺到する。ところが、ノルウェー・ノーベル賞委員会はあっさりと推薦を受け入れて、緊急でノーベル賞を授与する。アメリカとイランは即座に和平合意し、平和が訪れる。

戦乱が収まり、11月の中間選挙でトランプ大統領が敗北したタイミングで、ノルウェー・ノーベル賞委員会が次の声明を発表する。

「今回のトランプ氏の受賞から、選考基準が180度変わり、その時点で世界最悪の政治リーダーに授与することにしました」

これなら、世界平和に貢献するというノーベル平和賞の理念が守られ、今よりも権威が高まる。ノルウェー・ノーベル賞委員会にとっても、悪い話ではないだろう。中間選挙後に声明を出せば、アメリカからの報復もさほど心配ない。

そうは言っても報復が心配だというなら、声明を出さずに翌年はプーチン大統領、翌々年はネタニヤフ首相、その次は金正恩総書記に授与すれば良い。流石に世界の人々も「あれ?」とノーベル平和賞の変節に気づくだろう。

「そんなアホな」と思われるだろうが、可能性がゼロではない。1939年には、なんとアドルフ・ヒトラーが推薦されている。これは反ファシズムの立場を取るスウェーデンの国会議員による痛烈な皮肉であった。今回は、高市首相とノルウェー・ノーベル賞委員会の英断に期待したいものである。

 

(2026年4月27日、日沖健)