中居正広騒動と松本人志騒動の残念な3つの共通点

昨年末、一部の週刊誌が報じたタレント・中居正広さん(以下敬称略)の女性トラブル。火消しのために行われた先週17日のフジテレビ港社長の記者会見が逆に火に油を注ぎ、スポンサー各社が続々とCMを中止、さらに中居が23日に引退を発表するという大騒動に発展している。

ところで、今となっては遠い昔のことのようだが、ちょうど1年前、タレント・松本人志さん(以下敬称略)の女性トラブルがあり、社会が騒然となっていた。中居の騒動と松本の騒動にはいくつか残念な共通点があるので、確認しておきたい。

第1に、国民に夢を与えるべき大スターが、不祥事で国民の期待を大きく裏切ってしまったという点である。

世の中には、二人を熱烈に支持するファンがいるし、二人はファンだけでなく社会全体に大きな影響力がある。有名人だからというだけで信奉するのはもちろん良くないが、逆に大成功した有名人ですらまったく信じられないとなると、人間不信に陥ってしまうという人もいるのではないだろうか。

第2に、メディア業界の古い体質がトラブルの根底にあることだ。

中居の件では、フジテレビの社員が女性社員を接待係として献上したとされる。松本の件では、吉本興業の若手芸人が素人女性を献上したとされる。シチュエーションは少し異なるが、女性を「道具」として扱って何とも思っていない点が共通している。メディア業界では、女性蔑視の古い体質が色濃く残っているようだ。

第3に、トラブルを受けた会社側の稚拙な対応も、ものの見事に共通している。

フジテレビは「当社の社員の関与は一切ない」、吉本興業も「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです」と断言したが、発言の修正・撤回を迫られている。調査をしない内から「一切ない」と大見得を切ったのは、おそらく「どうせバレないだろう」とその場しのぎをした可能性が高く、まったく浅はかだ。

この3点から多くの国民が、芸能人は信用ならない人種である、芸能界は腐り切ったところだ、芸能界の経営者は無能だ、と受け止めているに違いない。当事者のフジテレビや吉本興業だけでなくメディア業界を挙げて、国民から信頼されるように抜本的な改革に努めて欲しいものだ。

ところで、私は中居にも松本にもまったく関心ないが、私以外の日沖家ではずっと以前から、中居と松本は芸能人ワースト1・2という評価だった。

「中居って面白いことを言うわけでも、歌が上手いわけでもなく、ヘラヘラしているだけの薄っぺらい男」(次女)

「松本のイジメ芸って、見ていて不愉快。あれを見て笑っている人って、いったい何なの?」(家内)

2年続けて残念な事件だが、家族が人を見る目があるとわかったのは私にとって収穫だ。おっと、同居人に人を見る目があり過ぎと、私に色々と不都合なことが起こりそうで収穫とは言えないかもしれない…。

 

(2025年1月27日、日沖健)