社長はゴルフをやるべきか、やめるべきか?

ゴルフが大好きという方は多いだろう。バブル崩壊後、若い世代を中心にゴルフ離れが進み、ゴルフ人口は2022年現在560万人と、ピークの19941450万人から激減している。コロナ環境下で三密を避けられる趣味として人気が少し復活したらしいが、いわゆる「接待ゴルフ」などビジネス利用は、引き続き低調だ。

経営者はゴルフをするべきだろうか、それともやめるべきだろうか。よく「業種・業界によって違う」と言われるが、それよりも大切な要素がある。それは、経営者が「どういう会社を目指すか?」だ。

私はこれまでたくさんの経営者とお会いしてきた。三度の飯よりゴルフが好きという経営者もいれば、ゴルフとは無縁という経営者もいる。ゴルフと企業業績の関係で言うと、大手企業の経営者や優良企業を引き継いだ跡取り社長を除いで、一流企業の経営者にゴルフ好きは見当たらない。

企業が浮くも沈むも、経営者次第。とくに中堅・中小企業の経営者は、平日の昼間は、部下に指示を出し、管理し、来客対応をし、ときにはトップ営業をし、とてんてこ舞いだ。長期的な戦略構想を練ったり、自分を高めるために研鑽したりというのは、どうしても平日の夜か休日ということになる。週末に丸1日使ってのんびりゴルフをする暇はない。

「月に1~2回、息抜きにゴルフをするくらいなら構わないのでは?」という意見はもっともだ。しかし、従業員は経営者の休日の過ごし方をちゃんと見ている。社長が休日はのんびりしていると知ると、「俺達にはあれやこれや矢継ぎ早に命令しておいて、自分はのんびりしているんだ」ということで、従業員の心が離れてしまう。「お前らだって休日には球技(パチンコ)してるだろ」と正論を言っても、従業員の心には響かない。

経営者が自社を一流企業にしたいと願うなら、ゴルフをきっぱりとやめるべきだ。自社を一流企業にしたい、でも大好きなゴルフをやめられない、という場合、自分のポケットマネーでやる、従業員にわからないように遠隔地で隠密にやる、ということを心掛けると良いだろう。

ということで、ゴルフに対し否定的なことを書いたが、ゴルフはまったくダメかというと、そうでもない。経営者がゴルフをやっている会社は、一流企業はない一方、まったくダメな企業も見あたらない。

自然の中でゴルフをするのは、良い気分転換になる。歩くので、健康管理にもプラスだ。業種・業界によっては、人脈形成に役立つ。このように、ゴルフは企業経営にプラスの面が多々ある。

知り合いのある経営者は、「リーマンショックの時など会員権を手放そうと思いましたが、好きなゴルフを続けるために、歯を食いしばって仕事を頑張りました」と述懐する。ゴルフの会員権や諸費用を払うには会社がある程度の収益を上げている必要があり、ダメ企業の経営者はゴルフを続けられない。

つまり、経営者が一流企業を目指すなら「ゴルフをやめた方が良い」、一流企業を目指さないなら「個人の自由」という結論になるわけだ。

今回はゴルフを取り上げたが、ゴルフだけでなく他の趣味にも同じことが当てはまる。経営者が休日をどう使うか、それを従業員がどう見ているかは、企業経営にとって意外と大切なことなのだ。

 

(2023年4月17日、日沖健)